■王とメイドの切ない恋物語■
ふと見ると、ソフィア王の隣に、１６歳くらいの女の子が座っていて、トーマ様をじっと見つめていた。


紹介って言っていたっけ？


多分、あの子をトーマ様に紹介するために、ソフィア王は、来たのだろうな。

可愛い。

目はぱっちりしていて、ウェーブした髪がきれいにまとめ上げられている。

ほっそりした肩が印象的で、いかにも、お姫様といった感じだ。

「トーマよ、この子が、わしの娘のエリザベスだ。可愛いだろう？博識だし、きっとお前のよい話し相手になるぞ」

「トーマ様、よろしくお願いします」


エリザベス姫は、微笑みながら、ゆっくりおじきした。


トーマ様も、軽く会釈し、微笑み返していた。

あの２人ならお似合いだわ。美男美女って感じね。


エリザベス姫、性格もよさそうだし、私よりよっぽど・・と、色々考えて落ち込んでいたら、いつの間にか、トーマ様のグラスのワインが無くなりかけていた。


危ない、危ない、早く注ぎに行かなければ。

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