■王とメイドの切ない恋物語■
「私さ、もう3年もトーマ様のこと、好きだったんだ」


3年。

そんなに前から、トーマ様のこと好きだったんだ。

ジュリアの気持ちを考えると、胸が苦しくなる。


「ごめんね、リリア。私、ここら辺で、踏ん切りつけたかったの。だからトーマ様に告白したんだ。嫌な思いさせて、ごめん」

ジュリアは、真剣に頭を下げた。

「ジュリア…。私こそ、ごめん。何も言えなくてごめん。色々あって、まだ言えなくて」


ジュリアは、笑って歩きだした。

「いいの。吹っ切るために、告白したんだから。リリアは全然気にしないで。本当よ」

「うん」

ジュリア…ありがとう。



私達は、廊下で、何故かエリックの話で盛り上がった。

エリックって面白いから、ネタがつきないよ

「本当、エリックって、いいやつだよねー」

「そうそう、私もそう思う~」

廊下に、私とジュリアの笑い声が響く



時計を見ると、もう少しで30分だ。

戻らないと


「ジュリア、呼び止めてごめんね」

ジュリアは、笑顔で首を振る。

「こっちこそ、聞いてくれてありがとう。すっきりしたわ。さーて、明日からは、標的をラノス様にかえるわよぉーっ。リリア、応援してよね」

ジュリアは、ぐっと親指を立てる

「あはは うん、もちろん!」

私達は、手を振って別れた。

また1人、本音で話せる友達が増えた。


ジュリア、ありがとう。

これからも、よろしくね。


私は、ラノス様の待つ部屋に戻っていった
< 328 / 396 >

この作品をシェア

pagetop