■王とメイドの切ない恋物語■
「あの、いや、えーと…」

私が真っ赤になりながら、慌てていると、トーマ様は寝室に入っていった。

えっ?

そんな、いきなり、どーしよーっ。

ほら、色々と準備とかあるし。

ねえ?


私は、ますます混乱する。

寝室から戻ってきたトーマ様の手には、大きな箱があった。

あ あれ?



「エリザベス姫から、珍しい国外のお菓子が、たくさん送られてきたんだ。これ食べながら何かしないか?彼女と、どうぞって書いてあったよ。俺らのこと、ばれてるのかなあ?」

トーマ様は、不思議そうに首をかしげている。

な なーんだ。

私、てっきり…。

慌ててた自分が、おかしくなってくる。


「ん?リリア、何笑ってるんだ?」

「何でもなーい。エリザベス姫、感が鋭いからね。うん、わかった。じゃあ、1回部屋に戻ってシャワー浴びて、パジャマ持ってくるね」

トーマ様は、嬉しそうに、頷いた。

「ああ。俺もその間に風呂に入っとくよ」



私はトーマ様の部屋を出て、自分の部屋に戻った。

なーんだ。

緊張して損しちゃったよ。

でも、あの流れだと、普通あっちを想像しちゃうよねぇ。

あははは。

私って本当バカだなー。

変なこと想像しすぎ。

・・・・。

でも、ひょっとしてってこともあるかも?

あー、やめ、やめ。

早くシャワー浴びてトーマ様の所、戻らなきゃね。

私は、鼻歌まじりにシャワーを浴びて、再びトーマ様の部屋に向かった。


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