■王とメイドの切ない恋物語■
集中してやったので、何とか昼までに終わらせることができた。

私は急いで昼食を済ませ、着替えて馬小屋に向かった。

トーマ様は、と…

あ、いた!

私は、トーマ様かけよった。

「トーマ様」

「リリア」

トーマ様は、嬉しそうに、こっちを見た。

「リリア、お誕生日おめでとう」

好きな人に、祝ってもらえるなんて、本当に幸せっ。

「ありがと。トーマ様。誕生日にトーマ様とデートできて、すごく幸せだよ えへへへ」

私が、そう言うと、愛しそうに見つめ、私の頭をポンポンと軽く叩いてくれた。



「今日は、どこに行くの?」

トーマ様は、馬に乗る準備をしている。

「リリアの村の丘に、行こうかと思ってるよ。少し遠いけど良いか?」

2人が、初めて出会ったとき遊んだ、思い出の丘だね。

あの時は、5歳と6歳だったね。

お互い成長して、また2人で、あの丘に行けるなんて素敵じゃない?

6歳だった男の子は、こうして王様になって私のこと迎え入れてくれた。

なんか本当に夢みたいだよ。



「うん、行こう。あの丘に」

トーマ様は、うなづき、素早く馬に乗った。

そして私に、手を差し伸べてくれる。

私は、ゆっくり愛しい人を見上げ、そのの手をとり、馬に乗った。



「リリア。しっかり、つかまっとけよ」

トーマ様が、片腕を私に回してくれる。

「うん」

そして、馬は走りだした。


2人の、思い出のあの丘に。


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