■王とメイドの切ない恋物語■
だんだん、日が傾き、空がオレンジに染まる。

村全体が、夕焼けに包まれた。

「きれいだね」

「これが見たかったんだ」

2人で、村を見つめる。



しばらくして、トーマ様が、私の方に向き直った。


「リリア、目をつぶって」

私は言われた通りに、目をつぶってみた。

ドキドキドキ。

何だろう?


「目、開けていいよ」

私が目を開けると、手のひらサイズの、可愛い箱が手渡された。

「お誕生日おめでとう、リリア」

「わー、ありがとう!!!」


トーマ様からの、誕生日プレゼントなんて、すごく嬉しい。

中身は何かな?



「開けて、いいかな?」

トーマ様は、うなづく。

私は、ドキドキしながら箱を開けた。




箱の中には…

綺麗な模様がある、白いレースの手袋が入っていた。

…これって、花嫁さんが結婚式でつける…


私が手袋を取り出すと、コロンと、下から指輪が出てきた。


私は、ゆっくり顔を上げトーマ様を見た。




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