■王とメイドの切ない恋物語■
久しぶりに、お母さんの手料理を味わうと、ほっとした気分になった。

「お母さん、おいしいよ。ありがとう」

「本当に、おいしいです」

トーマ様も、嬉しそうだ。




私の妹たちが、目をキラキラさせながら、トーマ様を見ている。

お父さんは、まだ帰ってきてないみたいだ。

「おねーちゃん、この人だあれ?」

「おねーちゃんの、すきなひと?」

妹たちが、次々質問してくる。



私が返事に困っていると、お母さんは笑い、

「さぁ、あなた達、お部屋のお片づけしてらっしゃい。終わったら、お姉ちゃんが詳しく教えてくれるって」

「はぁーい」

妹たちは、猛ダッシュで、自分の部屋に戻っていった。

助かったー。





ご飯も食べおわり、お母さんが、食後にコーヒーを出してくれた。

「ありがとう」

「ありがとうございます」

私たちはコーヒーを受け取り、1口飲んだ。




その時、お父さんが帰ってきた。

「おかえり、お父さん。ちょうど良かったわ。荷物片付けたら、ここに座って」

お母さんが、椅子を指差す。




少しして、お父さんが私達の向かい側に座った。

「リリア、帰ってきてたのか」

「うん」

お父さんは、チラチラ、トーマ様を見ている。

お母さんも片付けを終わらせて、お父さんの隣に座った。

「じゃあ、話の続きをしましょうか」

お母さんが微笑んだ。


「うん」


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