■王とメイドの切ない恋物語■
みんなでテーブルを囲み、ワイワイ紅茶やお菓子をつまんだ。

お父さんは、ようやく夕ご飯だ。


「そうなんだー。この人が、お姉ちゃんの旦那さんになるんだーっ」

2番目のアリーが、うっとりとトーマ様を見つめる。



「じゃあ、私達のお兄ちゃんになるんだよね?」

3番目のマリアが、トーマ様を見る。


「わーい、お兄ちゃんだーっ」

末っ子のミーシャが、トーマ様の腕にからむ。



お父さんが、むせる。

「グホッ、グホッ。こらこら、この方は、とても偉い人なんだから、もっと遠慮しなさい」


お父さんが、オロオロ止めに入った。



それを聞いたトーマ様が、笑って

「お父さん、いいんです。兄弟いないので、こんな可愛い妹たちが一気にできたかと思うと嬉しいんです。お父さんも敬語はやめてください」

「そっ そうか?」

お父さんは、まだドキドキしてるみたいだ。


お母さんは笑って、

「そうよ、お父さん。私を見習って。最初から敬語じゃないわよ」

ぷっ。

お母さん、そこ、いばるとこじゃないし。

私は笑った。

お母さん、本当に度胸あるよな。

私でさえ、なかなか敬語が脱出できなかったのに。





お母さんは、トーマ様と、お父さんを見て

「遠慮は、お互い、なしにしましょうよ。もう私達は家族になるんですから。ね?トーマ様」

「はいっ」

トーマ様は、嬉しそうに、うなづいた。




私達は、そのまま2時間くらい、楽しくおしゃべりした。

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