■王とメイドの切ない恋物語■
お風呂も入り、適当にあるものに着替えた。

トーマ様は、お父さんのパジャマを着ているが、背が高いから、かなり丈が、おかしなことになっている。

これは、これで、可愛い。


「じゃあ、おやすみなさい」

「はい、おやすみ」

私達は、みんなに見送られて、私の部屋に向かった。




「ごめんね。狭い部屋だけど」

そう言ってドアを開けた。

本棚と、机と、クローゼット。

それにシングルのベッドがあり、2人が座ると部屋が一杯になってしまう。



「ここが、リリアの部屋か」

トーマ様は、部屋を見渡した。

「なんか、リリアの育った部屋が見れて、嬉しいよ」

「あはは そんなこと言われると、何だか照れちゃう」



2人で、ベッドに座った。

「ベッド、シングルだから狭いけどいいかな?」

私が聞くと、

「俺は、そっちの方が嬉しいけど」

と、あっさり、かえされた。


もーっ トーマ様ったら…。


なんだか急に恥ずかしくなってくる。


「寝ようか」

トーマ様が、ベッドに潜り込んだ。

「うん」

私は立ち上がり、電気を消した。




トーマ様のベッドで、添い寝した時とは全然違う。

2人で、寄り添ってないと、ベッドから落ちてしまいそうだ。


私はドキドキしながら、ベッドに入った。

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