■王とメイドの切ない恋物語■
「おはよう」

「おはようございます」




お母さんが笑顔で振り向いた。

「あ、おはよう。座って」

テーブルには、絞りたてミルクや、お母さんの手作りパン、卵などが並んでいた。




「いただきます」

私とトーマ様は、美味しいパンを味わって食べた。

「リリアさんが、料理が上手なのは、お母さん譲りですね」

トーマ様は、お母さんに微笑んだ。

「あらーっ、トーマ様、いいこと言うじゃない。おばちゃん、これもサービスしちゃう」

お母さんは笑いながら、美味しそうなフルーツを出してくれた。



楽しい時間は、あっという間に過ぎ、お城に戻らなくてはいけない時間になった。



「お世話になりました」

トーマ様は、深々と礼をした。

「またいつでも遊びに来て下さい。楽しかったよ」

お父さんは、トーマ様と握手する。

隣で、お母さんは、うなづいている。


「トーマお兄ちゃん、もう帰るのー?」

妹たちも、名残惜しそうだ。

「また遊びに来るからね」

トーマ様は、妹達の頭を優しくなでる。



「じゃあ、行こうか」

「うん」

私たちは、みんなに見送られ、お城に帰っていった。

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