■王とメイドの切ない恋物語■
「お姉ちゃん一緒の布団で寝ていい?とか聞いてくるし、私が風邪引いたら、必死で看病してくれるの」

「えーー!すごく、かわいい」

チチリさんは、手を握しめ、ぽわ~んと宙を見つめた。

私は、妹達の顔を思い出し、微笑んだ。


「熱が出たら、濡れタオルとか頭に置いてくれるんだけど、まだうまく絞れないみたいで、びちゃびちゃのタオルをそのまま頭に乗せられたりしたな。思わず笑っちゃったよ。本当に可愛いわ」

チチリさんが、ふきだした。

「リリア、それって親バカならぬ、姉バカってやつでしょ」
「え、そうかな あはは」
「いいな、私、1人っ子だから、そうゆうのうらやましいよ」


チチリさんは、天井を見ながら、呟いた。

「でも、こんなこともあったよ」
「なになに??」

チチリさんが、乗り出してくる。

「夜中にモソモソ私の布団に入ってきたかなって思ったら、おねしょして、また自分の布団に、戻っていったこととかあるよ」

朝、私がオネショしたんじゃないかって、みんなに疑われたっけ。

これまた、笑える思い出だ。あの頃が懐かしい。
「えーっ、それは勘弁だー」

チチリさんは、お腹を抱えて笑っている。

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