■王とメイドの切ない恋物語■

クリスマスパーティー

12月25日。

今日はクリスマス。

トーマ様は、あれからグングン回復し、傷は残るものの、今ではすっかり、普通に過ごせるようになった。



今日は、いよいよ婚約発表の日だ。

あの事件以来、私たちのことは、ばれてしまい、皆にあたたかな眼差しで見守られている。

でも、一応ちゃんとした場所で発表して、正式な公認にしようということになり、今日に至る。




会場の準備をしていたら、チチリさんが笑顔で近寄ってきた。

「いよいよ、今日発表だね。緊張するでしょ?」

「うん。すごく。あはは。なんか、本当にいいのかなって感じだよ」

私が、そう言うと、

「なーに、言ってんの。トーマ様の相手は、リリアしか務まらないわよ」

と、チチリさんは笑った。

そして、こう、笑顔でつぶやいた。

「リリアも、ついに女王様かぁ。すごいよね。ちょっと寂しくなるな。リリア~、王女様になっても、よかったら、たまには私とお茶してよ。ね?」

「当たり前だよ」

私は、微笑みかえした。

「だってチチリさんは、大親友だもん」

「リリア、嬉しいこと言ってくれるじゃない」

チチリさんは、私に抱きついてくる。



「わー、いいなー。私も私もーっ」

ジュリアも近寄ってきた。

「うんうん!エリックも呼んで、みんなでお茶しようね」

「うん!」


広間に私達の笑い声がこだまする。







ありがとう。


ここまで来れたのは、みんなのおかげだよ。

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