■王とメイドの切ない恋物語■
あの日以来、2週間ぶりに話した。

トーマ様は王だもの。

メイドの私と話す機会なんて皆無に等しい。

「リリア、こんな遅くにどうした?」

「申し訳ありません。メイドのチチリと話していて、遅くなってしまいました」

トーマ様は笑って、

「あやまらなくてもいいよ。そうか、友達ができたんだね、よかったな」

「はいっ」


何気ない会話だが、トーマ様が、私を気に掛けてくれたのが、うれしかった。


「トーマ様は、どうされたのですか?」

「私か?私はちょっと考え事をしていてな。眠れなくて散歩していたんだ」

「そうなんですか」

考え事ってなんだろう、と私が思っていると、




「リリア、今眠いか?今から用事は?」



え?

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