■王とメイドの切ない恋物語■
「リリアーっ」

チチリさんだった。

「チチリさん!どうしたんですか?」

「だって明日から実家に帰るんでしょう?さみしいよーっ つまんないよーっ」

チチリさんは、おどけてみせた。

「はいはい、帰るって言ったって、たった2日じゃないですか。 いい子で待っててくださいね」


私は笑いながら、チチリさんの頭をナデナデした。

チチリさんは無邪気な表情で私の方を向いた。


「はーい。いい子にしてます。ということで、お土産よろしくっ」

「なんじゃそりゃーっ」

「あはは 冗談よ。あ、でも欲しいかも。 実家まで結構距離あるでしょう?気を付けてね。じゃ、おやすみ」

と、言って自分の部屋に、戻っていった。



何だかんだ言って、心配してくれたんだね。


チチリさん、ありがとね。


私は荷造りを終えると、早めに床についた。


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