■王とメイドの切ない恋物語■
「はい、何でしょうか?」

「今度、気分転換に、昼食を庭で食べてみたいんだ。いつものシェフの料理では、いつもと一緒になってしまう。リリアが何か簡単なものを作ってくれないか?」



え?えぇーっ!なんですって?

「そんなっ、トーマ様。トーマ様の昼食を作るなんて、私には荷が重すぎます」


私が、そう言うと、トーマ様は、少し悲しそうな顔をした。

その顔が、また、すごくかっこいい。


「サンドイッチとか、そうゆう簡単なもので、いいんだが」


そんな、悲しそうな顔しないでよ。断れなくなっちゃうよ。


「はい、かしこまりました。お口に合うかどうかわかりませんが、一生懸命作らせていただきます」


私がそう言うと、トーマ様は、ほっとした表情をした。



引き受けちゃったよ。大丈夫か、私。


< 80 / 396 >

この作品をシェア

pagetop