■王とメイドの切ない恋物語■
今日、エリザベス姫に言われたことを、チチリさんに伝えた。

言ってて、また、ため息が出てきた。

「はぁー?何それ?ものすごく性格悪くない?その言い方はないよね。確かに、ただのメイドだけどさー、言い方にトゲがあるよね…」

そうなの。

そのトゲに、ぐさっとやられちゃったんだよ。

チチリさんは、私の気持ちをよくわかってくれてる。

こうやって理解してくれるだけで、気持ちがずいぶん楽になる。

私はクッションを抱きしめ、壁にもたれた。

「うん…結構傷つきましたよ」

これが私の正直な気持ちだ。

チチリさんは私に近寄ってきて、肩に手を置いてくれた。

「リリア、辛かったね。でもさ、エリザベス姫も、リリアのこと、ただのメイドとしか思ってないんだったら、そこまで言ってこないと思うんだよね」

え?

どういうこと?

「たぶん、エリザベス姫はトーマ様が、まだあまり自分に興味示してくれないから、ちょっと焦って、リリアに嫌み言ったんじゃないな?」


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