■王とメイドの切ない恋物語■
開いた扉を見つめると、

「トーマ様…?」

私はあわてて、身なりを整える。


今、一番会いたかった人が、そこに立っていた。

どうしてトーマ様が、私の部屋に来たんだろう?


何か緊急の用事だろうか?

でも、こうやって二人で会えて、すごいうれしい。

トーマ様を見ると、胸が急に高鳴りだす。

トーマ様・・・


ふと気が付くと、

今の私って、
パジャマだし、
すっぴんだし、
ものすごく恥ずかしいーっ!

あー、パジャマに着替えるの、もう少し待てばよかったよ。



トーマ様に、突然会えてうれしいけど、複雑な気分だ。


トーマ様は、少し申し訳ない顔をして、


「夜にすまない。昼はなかなか時間がとれなくて」

そうだろう。

昼間は、エリザベス姫が、いつもトーマ様の隣にいる

うらやましいし、ちょっと妬けてしまう

「いえ、大丈夫です。何かご用ですか?」

私は、落ち着きを取り戻してトーマ様のほうを見た。

「少し聞きたいことがあってな…」

なんだろう?

トーマ様が私に聞きたいこと?

さっぱり見当が付かない。

「はい、何でしょうか?」
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