■王とメイドの切ない恋物語■
「さーて、仕事に戻るか!エリザベス姫に頼まれてることがあるしなっ」


「長々と聞いてもらってごめんね。エリザベス姫の用って?」


「なんかバラのお風呂に入りたいみたいで、バラ百本分の花びらを、昼までに部屋に運べって言ってたよ」


「百本!?バラ風呂!?」

私は、びっくりした。

庶民の私には、考えられないくらいのゴージャス感だ。

「そう、百本。風呂場とかにも、バラを散らすみたいで、たくさんいるらしい」

「すごいね…さすがエリザベス姫だね」

私たちは、顔を見合わせて苦笑した。




私は、ふと思いつき立ち上がって、腕まくりをした。


「エリック、私も手伝うよ」


「いいよ、いいよー、結構大変だからさ」

エリックは、首をふっている。

「いーのっ 話し聞いてくれたお礼したいし。ダメ?」

私は首をかしげ、エリックを見上げた。

エリックは、少し赤くなって

「リリアにそんな顔されたら、断れないよ。ありがとう。じゃ手伝ってもらおうかな」

そう言って笑った。

本当に、さわやかな笑顔だ。

「じゃあ、がんばりますか!」

「おーっ!」

私達は、バラの花びら集めに、とりかかった。


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