【短】太陽のため息
「松木くん、これ必要部数コピー取るから、2時の会議までに資料作っといてくれる?」
「あ…はい。前回頂いた分に上乗せすればいいんでしたね」
「そうよ。助かるわ。ありがとう」
と、ぽん、と俺の肩に手を当てて、自信たっぷりに指示をしてくるのは、同期の内川さんだった。
同期と言っても実力もあり、ハツラツとした彼女はとっくに俺なんかを抜いて、今ではプロジェクトの主任をつとめている。
出世している彼女のことを、けして、羨ましいとは思わない。
けれど、彼女のその快活な性格は手本にしたいと思っていた。