溺愛王子の仰せのままに
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あまっ、
もう一度チョコレートを口に運ぶ。
...... ん~~おいし~~!
あぁ、ほんとに幸せ......
真っ赤なハートのチョコレートに手を伸ばす。
ホワイトチョコレートのコーティングに
フランボワーズのガナッシュ、
私が1番好きなーーーー
「.........ぱくっ」
「.........え」
「んー、おいしっ」
そう平然とわたしの手から
チョコレートを奪ったのは
「ーーーーっ!!.........千秋!」
「うるさ、なに」
「今、あんたがわたしのーーーーっ!!」
「今?」
千秋はきょとんと私の顔をじっと見つめる。
いかにも俺は何も悪いことしてませんよー!
とでも言うかのような顔だ。
毎月一番の楽しみで
一番好きなチョコレートを奪うだなんでーー
「ふんっ」
思いっきり千秋の顔から目を逸らす。
「.........くすっ」
挙句の果てにそんなわたしを見て
笑ってるし!!
はあ.........
前までは1人でこの美味しいチョコレート
を独り占めして堪能してたというのに。
.........千秋がもどってくるまでは。
「なに?もか、怒ってんの?」
「.........」
怒ってるに決まってるでしょーが!!!!
なんて心の中で思いつつ、
勝手に部屋に入ってきた千秋の背中を
両手で持ってドアへと黙って押し出す。
千秋めっ、
わざと体重かけてるし!
重たっ.........!
「えーー.........じゃあさ」
.........バンッ