追放された公爵令嬢、隣国で成り上がって全てを見返す
001
ポロネイア王国の公爵令嬢ペトラ・ポナンザは愕然とした。
王城の謁見の間に呼ばれた彼女へ、第一王子のルークが言う。
「ポロネイア王国第一王子ルーク・ポロネイアは、今日、この時をもって、ペトラ・ポナンザとの婚約を破棄する」
黒髪の王子から放たれる言葉に、ペトラは衝撃を受ける。
彼女は燃えさかる炎のような赤き髪を激しく乱しながら尋ねた。
「どうして、どうしてなのですか? ルーク様」
ペトラとルークは愛し合っていた。
恋愛感情を無視した政略結婚が当たり前のこの王国で。
だから、ペトラには理解できなかった。
「それはそなたがよく知っているのではないか?」
ルークの目は血走っている。
ペトラは、ルークのそんな目を見たことがなかった。
2人でいる時には絶対に見せない怖い顔だ。
「分かりません、分かりませんわ」
「この期に及んでまだシラを切り通すか。では教えてやる。汝は不貞行為を働いたのだ。この目でハッキリと見た。私だけではない。私の警護を担当している騎士達も確認しておる。あの美しき真紅の髪は、そなた以外にありえぬ」
「誤解です。人違いです。後ろ姿しか見ていないのなら、私とは」
「ふっ、そう言うと思った。だがその言い訳も通用せぬ。我々は顔も見たからだ。あれはそなたに他ならない。そなたほどの美貌を持った赤髪の女など、この世にはおらぬ。見間違うはずあるものか」
王城の謁見の間に呼ばれた彼女へ、第一王子のルークが言う。
「ポロネイア王国第一王子ルーク・ポロネイアは、今日、この時をもって、ペトラ・ポナンザとの婚約を破棄する」
黒髪の王子から放たれる言葉に、ペトラは衝撃を受ける。
彼女は燃えさかる炎のような赤き髪を激しく乱しながら尋ねた。
「どうして、どうしてなのですか? ルーク様」
ペトラとルークは愛し合っていた。
恋愛感情を無視した政略結婚が当たり前のこの王国で。
だから、ペトラには理解できなかった。
「それはそなたがよく知っているのではないか?」
ルークの目は血走っている。
ペトラは、ルークのそんな目を見たことがなかった。
2人でいる時には絶対に見せない怖い顔だ。
「分かりません、分かりませんわ」
「この期に及んでまだシラを切り通すか。では教えてやる。汝は不貞行為を働いたのだ。この目でハッキリと見た。私だけではない。私の警護を担当している騎士達も確認しておる。あの美しき真紅の髪は、そなた以外にありえぬ」
「誤解です。人違いです。後ろ姿しか見ていないのなら、私とは」
「ふっ、そう言うと思った。だがその言い訳も通用せぬ。我々は顔も見たからだ。あれはそなたに他ならない。そなたほどの美貌を持った赤髪の女など、この世にはおらぬ。見間違うはずあるものか」
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