追放された公爵令嬢、隣国で成り上がって全てを見返す
立ち上がろうとしたところ、地味な布の鞄が顔面に投げつけられた。
今の彼女に与えられた唯一の所持品だ。
ペトラは鞄を持って立ち上がる。
紐を肩から斜めに掛けて、バーランド王国の兵士に話しかけた。
「あの、近くに集落とかありませんか?」
「ありますよ。この先を真っ直ぐに進んだ所です。結構な距離ですが」
兵士が笑顔で応える。
バーランド王国に属する兵士だから対応がいい。
「よろしければそこまでお送りしましょうか?」
ペトラは「お願いします」と言いたかった。
しかし、彼女にはその言葉を言うことができなかった。
先ほど、兵長を信じようとして怖い思いをしたところだから。
目の前の男がバーランドの兵士だと分かっていても不安だった。
「いえ、自分で、歩きます」
「そうですか。ではお気を付けて」
「はい」
トボトボと舗装された道を歩くペトラ。
「何で私がこんな目に……」
ペトラの目から一筋の涙がこぼれる。
そうなると、もはや止めることは出来なかった。
我慢の糸がプツンと切れ、彼女は1人で泣きじゃくるのだった。
今の彼女に与えられた唯一の所持品だ。
ペトラは鞄を持って立ち上がる。
紐を肩から斜めに掛けて、バーランド王国の兵士に話しかけた。
「あの、近くに集落とかありませんか?」
「ありますよ。この先を真っ直ぐに進んだ所です。結構な距離ですが」
兵士が笑顔で応える。
バーランド王国に属する兵士だから対応がいい。
「よろしければそこまでお送りしましょうか?」
ペトラは「お願いします」と言いたかった。
しかし、彼女にはその言葉を言うことができなかった。
先ほど、兵長を信じようとして怖い思いをしたところだから。
目の前の男がバーランドの兵士だと分かっていても不安だった。
「いえ、自分で、歩きます」
「そうですか。ではお気を付けて」
「はい」
トボトボと舗装された道を歩くペトラ。
「何で私がこんな目に……」
ペトラの目から一筋の涙がこぼれる。
そうなると、もはや止めることは出来なかった。
我慢の糸がプツンと切れ、彼女は1人で泣きじゃくるのだった。