小悪魔王子に見つかりました



「行こっか、浅海さん」

ちょっと寧衣くん。
自分が何をしているのかわかっているのですか。

放課後寧衣くんと過ごすことが決まってしまって、

昼休み後の残り2時間の授業は全然集中できなくて。

気が付けばあっという間に帰りのSHRが終わっていて。

今は、まだほとんどクラスメイトが残ってるなか、まあまあのボリュームで私に声をかけてきた寧衣くんに、

私だけでなく、他のクラスメイトたちも一時停止してしまっている状態だ。

そりゃそうなるよ。

みんなから見たら、今日の「さようなら」まで、なんの絡みもなかった私たちが、

一対一で話しているんだから。

正確にはまだかなりの驚きで私は声を出せていないのだけど。

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