小悪魔王子に見つかりました
「浅海さん、ずっとそうだよね。俺が触れても手を繋いでも、こうして抱きしめても、嫌じゃないっていう。それって、なんで?」
「……っ、そ、それは、」
寧衣くんの胸に置いた手にギュッと力を入れる。
直接、本人を目の前に口にするとなると、ものすごく緊張して。
人通りの多い道で抱きしめられてるって状況にも、頭が追いついていないっていうのに。
「俺はね、……ずっと、浅海さんのこと好きだからこういうことしているよ。俺から離れて欲しくないから、そばにいて欲しいから」
「……っ?!」
え、寧衣くん……。
今なんて……。
寧衣くんが私の背中に回した腕の力を緩めたのと同時に、顔を上げると、
バチっと視線が絡んだ。
「浅海さんはどうなのかな。あいつと再会して、俺のこと、もう必要じゃなくなった?」