小悪魔王子に見つかりました
『別にたいして可愛くもないのにさ〜本気にするからまじでウケるよね〜似合わないつーの』
『明らかに私らと釣り合ってないのに本人が自覚してないんだもん』
私はみんなみたいに可愛い格好をしてはいけない。
『姫茉、もう少しスカート短くしちゃいなよ!絶対似合うよ〜!』
そう言っていたはずの子たちが、裏で私をクスクスと笑っていた。
真面目に受け取ってしまった私がバカで。
みんなみたいに、キラキラしてはいけない。
可愛い子たちの引き立て役でなければならなかったのに。
一緒になって輝けていると思っていた自分が恥ずかしくなって。
徐々に地味にしていった見た目は、今、
目が隠れるぐらいの前髪に、肩より少し下のストンとしたストレートヘア。
制服も校則をきちんと守ってシャツは第一ボタンまで閉めている。
目立たない、出る杭にならないための、私を守る鎧だ。