小悪魔王子に見つかりました

いつもあんなに可愛くて美人な女の子たちに囲まれてる寧衣くんが、

こんな地味な私のことを可愛いなんて思うわけないもん。

寧衣くんは女の子とのこういうシチュエーションにすごく慣れているんだろう。

女の子を喜ばすような言葉やスマートな言葉を平然とかけてきて。

私ばっかりあたふたしててその差を実感して少し惨めな気持ちにもなる。

「ミルクティー、どうぞ。そっちも飲ませてくれる?」

そうやって、キュルっとした瞳で見つめてくるから敵わない。

「……ど、どうぞ、」

寧衣くんにごちそうしてもらったものだしそれを拒む権利は私にはない。

「ありがとう。姫茉ちゃん」

「なっ、」

不意打ちで下の名前を呼ぶなんてずるい。

こんなの、名前知ってくれていたんだ、って嬉しくなってしまう。

寧衣くんは私を一体どうしたいの。

男の子にこんなにドキドキしたのは生まれて初めてだ。
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