小悪魔王子に見つかりました

『いや、羽ばたくに芽が出るの芽で』

『へぇーかわいいね、すごいなぁ〜今時の子の名前は』

かわいいって言われてときめいて。
今時の子って言われて心の中でムッとして。

朱耶くんだって十分今時の子、なはずなのに。

ただでさえ歳を気にしているから、これ以上えぐらないでほしい。

彼にそんなつもりがないことはわかっているけど。

『羽芽ちゃんか、そっか』

満足そうにふたたび名前を呼ばれて、身体中が熱くてしょうがなくて。

『すっごくいい子だよね』

『えっ、』

『いつもレジで、お願いします、ありがとうございますって言ってくれるから、嬉しくて。意外とちゃんと言ってくれる人って少ないからさ』

はっ。
そんなささないなことで覚えてもらってくれてたことがものすごく嬉しくて。

ニヤケそうになった瞬間だった。
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