小悪魔王子に見つかりました
「……羽芽ちゃん、すっごく素敵だね」
「へっ……」
自分の恋愛話を他人にするなんてこんな恥ずかしいことはないと、
3人の目を見て全然話せていなかったから。
姫茉の優しい声がして初めて顔を上げてはじめて、彼女が泣いているのに気付いた。
「なっ、姫茉なんで泣いてっ、しかも、全然素敵じゃないしっ、寧衣に散々ヘタレとかなんとか言いながら、私が1番ヘタレなわけだしさ……ハハッ」
じわじわと、私、全部話しちゃったんだって実感して、
火照った体をどうにか紛らわせようと、あんまいケーキを一口多めに頬張る。
「羽芽のその一途なところ!すっごく素敵じゃんか!姫茉の言うとおり!」
「うんうん!」
「……っ、」
いや、和子たちまで……。
「うん。今の話聞いて、羽芽ちゃんのこともっと好きになったよ。ありがとう、話してくれて」
「姫茉……」
自分のことはずいぶんと棚に上げるやつなんだなって、呆れられるとこなんじゃないの。