小悪魔王子に見つかりました
寧衣くんと誕生会
寧衣side
姫茉と付き合い出してから早2週間。
会計を終えて商品の受け取りを待っているカップルをカウンター越しに横目で見ながら、
心の中でため息をつく。
せっかくの日曜日。
なんで俺は姫茉といないんだろう。
いや、日曜にシフトを入れることは自分で決めたことなんだけど。
休日。
平日の夕方に比べて、ひっきりなしにやってくお客さんの対応をひたすらやっていると、
つい、思ってしまう。
リア充め。
あ、またお客さんだ。
「いらっしゃいませ」
「んーとー、テリヤキバーガーのセットをひとつとアボカドバーガーのセットをひとつ……」
すぐに注文された商品名をレジのパネルに打ち込んで、サイドメニューやドリンクの種類を聞いて。
「ご注文は以上でよろしいですか?」
最後にそう確認すると、俺と同い年ぐらいの女の子ふたりはお互い目を合わせてニヤニヤし出した。
ん?
「あっ、あと、スマイルひとつくださいっ!」
「……っ、」
はあ?
出たよ……。
こんなクッソ忙しい時に何言ってんの。
ここ別に、スマイルゼロ円なんてキャッチフレーズでやってないんだけど。
欲しかったらそっち行ってくれないかな。