小悪魔王子に見つかりました
寧衣くんと朝の海
寧衣side
……ん、重っ。
胸が圧迫されてるような苦しさで目を開ければ、
「……最悪」
昴のやつが俺の胸を枕代わりに頭を置いて気持ちよさそうにガーガーいびきをかいて寝ていた。
昨日、クラスのよく集まるメンバーでキャンプに来て。
二日目の朝である今日。
重たい昴の頭を持ち上げて少し雑に隣に戻せば、
「フガッ」
というダサい声を漏らした。
毎日毎日彼女が欲しいとうるさいけど、こんなんじゃ一向にできないと思う。
すぐ横に置いていたスマホ画面を開いて時間を確認すると、
時刻は朝の6時前。
だいぶ早く起きてしまった。
昨日遅くまでふざけ倒していた連中はまだまだ起きそうになくて。
先に起きて顔を洗って、みんなが起きてくるまで、朝の海でも眺めてこようと、俺はテントを出た。