イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
だが、会話が終わった途端、専務の顔が一変し、仕事モードに切り替わったのだ。
汐田課長と今日のスケジュースの確認をしているのだが、その表情は学校で見ていた優しい表情ではなかった。
あんな真面目な顔ができるんだ。
そう思ったと同時にやっぱり先生をやっていた時の専務は仮面をかぶっていたのかな?という疑いがより濃くなった。
もしかすると他の二人の様に「君は無理」とかいって下されるかもしれない。
だけど、専務の本性を暴くにはちょうどいいかも。
きっとあの笑顔の仮面を剥がしたら悪魔が顔を覗かせるかもしれない。
何でここまでムキになるかって?
世の中にパーフェクトな男なんていないということを証明したいだけ。

そんなこんなではじまった秘書1日目。
秘書室に戻った私は、汐田課長について秘書の1日の流れについて説明を受けた。
基本、上司よりも三十分から1時間前には必ず出社し、専務室の掃除、スケジュールの確認をする。
そしてお出迎え。
専務が椅子に座るのを確認すると当日のスケジュールを伝え、報告や確認事項を伝える。
それがおわったら電話、メール、郵便物の対応。
お昼休みの後は会議で使う資料や書類の作成。
会食がある場合、会場やメンバー、お土産などの確認をする。
もちろんお土産を準備するのも秘書の仕事。リストを作成。
こうすることで誰に何をあげたかがすぐにわかり同じものをお渡ししなくて済むというのだ。
そして上司をお見送りすると専務室の掃除と施錠をして帰るとのこと。

覚えなきゃいけないことが山積みで、もう根を上げてしまいたくなる。
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