イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎

秘書室で説明を受けていると電話が掛かってきた。
会議依頼の電話だった。
参加すべきかどうかは概ね秘書が判断する。
会議をいつどこでするかも提示しなければならない。
会議スケジュールが立て続けにある場合は多少時間を開けるとか、他の秘書と相談して調整するなどして上司に大きな負担がかからないようにするなどの配慮も必要。
もちろん私がすぐできる仕事ではないので、しばらくは汐田課長について覚える。
電話やメールの対応はマニュアルがあるのでそれに沿って行う。
名刺管理も秘書の大事な仕事らしい。でも一人一人を覚えるのは大変なので、データベースを作成し管理する。
紙の名刺は専用のボックスがあり、五十音順にはいっている。

「君にはまずこのボックスに入っている名刺を入力してもらうことからはじめてほしい。よろしくたのむよ」

「は、はい」

会議依頼とかきてもちゃんとスケジュールを立てられる?
なんか相手の言うまま「はい」って返事して、気がついたらブッキングしていたとか……頭の中に浮かぶのは失敗した自分。
経理での経験がここで役に立つとは思えない。
ガクッと肩を落としていると、真向かいに座っている女性が私にチョコレートを差し出した。
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