イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
専務室に戻り私は掃除にとりかかった。
誰もいない専務室で掃除をしている時が一番ホッとする。
そういえば机の上のものは触らない様にと課長に言われたんだった。
といってもとても綺麗だ。
とりあえず机を拭いてしまおう。
するとフォトスタンドが目に入る。
そういえばアメリカの支社にいたと部長が言っていた。
机の上に写真を置くなんてアメリカっぽい。日本人はそういうことぜったいにしないもの。
きっと家族や恋人の写真でしょ?
興味津々で写真に目を向けた私は驚いた。
それは教師時代の写真らしく、バスケ部の部員と撮ったものだった。
もしかして専務は教師に未練があるのでは?
でも私には関係ないこと。
そもそも私は神谷先生が嫌いだった。
先生だけどチャラいというか、学生気分が抜けきれてないというか……。
私からみたら先生らしくない。
おまけに誰からも好かれて……私とは正反対。
それがまさかこんな形で再会し、教師と教え子の関係から上司と部下になるなんて。
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