イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
まさか専務とこの後会うのにカットソーとスキニージーンズってどうなんだろう。だからといって田辺さんからいただいた服を着るのもどうかと……。
でもこれは完全プライベートなんだから何を着ていても問題ないのでは?
そもそも前もって約束していたわけではないし、本当は二人きりで会うことに納得していない。できることなら帰りたい。
重い足取りで会社を出ると待ち合わせ場所である駅へと向かった。
駅に到着し、時計を見ると約束の時間五分前。遅刻しなかったことにホッとしていると、白い高級車が私の前でゆっくり止まった。
そして車の窓がスーッと静かに開く。専務だ。
「乗って」
「は、はい」
助手席を指差され、緊張しながらドアを開ける。
お恥ずかしい話だが、男性の運転する車に乗るのは父とタクシー運転手のみで、それ以外では初めてだ。
私がシートベルトを装着したのを確認すると車はゆっくり走り出した。
「今日は初日で疲れただろ」
「はい」
どうしても教師だったイメージが強くて、二人きりでいることがすごくいけないことの様に思えてしまう。
すると専務がクスクスと笑い出した。
「何がおかしいのですか?」
「ごめんごめん。君から伝わるオーラがね、警戒心むきだしというか……全然変わってないからさ」
それって全然成長してないってこと?
「警戒心だなんて……」
一応否定したものの、間違ってはいないだけに、言葉に説得力はない。
「否定しなくていいよ。君は俺のことが大嫌いだったしね」
「いえ、大嫌いではなく苦手でした」
すると今度は声を出して笑い出した。
「やっぱり君はおもしろい。でも安心して。俺も君がすごく苦手だった」
「え?」
でもこれは完全プライベートなんだから何を着ていても問題ないのでは?
そもそも前もって約束していたわけではないし、本当は二人きりで会うことに納得していない。できることなら帰りたい。
重い足取りで会社を出ると待ち合わせ場所である駅へと向かった。
駅に到着し、時計を見ると約束の時間五分前。遅刻しなかったことにホッとしていると、白い高級車が私の前でゆっくり止まった。
そして車の窓がスーッと静かに開く。専務だ。
「乗って」
「は、はい」
助手席を指差され、緊張しながらドアを開ける。
お恥ずかしい話だが、男性の運転する車に乗るのは父とタクシー運転手のみで、それ以外では初めてだ。
私がシートベルトを装着したのを確認すると車はゆっくり走り出した。
「今日は初日で疲れただろ」
「はい」
どうしても教師だったイメージが強くて、二人きりでいることがすごくいけないことの様に思えてしまう。
すると専務がクスクスと笑い出した。
「何がおかしいのですか?」
「ごめんごめん。君から伝わるオーラがね、警戒心むきだしというか……全然変わってないからさ」
それって全然成長してないってこと?
「警戒心だなんて……」
一応否定したものの、間違ってはいないだけに、言葉に説得力はない。
「否定しなくていいよ。君は俺のことが大嫌いだったしね」
「いえ、大嫌いではなく苦手でした」
すると今度は声を出して笑い出した。
「やっぱり君はおもしろい。でも安心して。俺も君がすごく苦手だった」
「え?」