イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
ドラマで見るような格式の高そうな和室には掛け軸がかかっていて、花器には季節の花が生けられている。雪見障子から風情漂う坪庭も見える。
「少々お待ちくださいませ」といって女将がさがる。
私たちは出入り口に近い下座に座った。
別に私が塩原社長とはなしをするわけではないのだが、緊張で胃が痛くなる。
横に座る専務を見ると、場慣れしているのか、随分と落ち着いた様子。
私の緊張を少し分けてあげたいぐらいだ。
「あの」
「なんだ?」
「今日はどう言ったお話をするのですか?」
だが、帰ってきた言葉は「秘密」
だったら私がここにいる必要などないのでは?
そう思った時だった。
「塩原様がお見えになりました」
女将が襖を開けると塩原社長が入ってきた。
「待たせたね」
「いえ、私も今きたところで」
すらっとした長身の男性が入ってきた。シルバーグレーの髪だが、見た目は若い。私はもっと恰幅の良い人なんだろうと想像をふくらませていた。それだけに、思いの外ダンディーだ塩原社長に驚きを隠せなかった。
すると塩原社長と目が合う。私はすぐさま頭を下げた。
「神谷君、彼女は?」
「私の秘書の鴨居といいます」
挨拶するようにと目で合図される。
「専務秘書を務めております鴨居と申します」
「鴨居さんね。でも君の秘書は汐田君では……」
「汐田から彼女に変わったのです」
「なるほどね」
するとタイミングよく料理が運ばれてきた。
「少々お待ちくださいませ」といって女将がさがる。
私たちは出入り口に近い下座に座った。
別に私が塩原社長とはなしをするわけではないのだが、緊張で胃が痛くなる。
横に座る専務を見ると、場慣れしているのか、随分と落ち着いた様子。
私の緊張を少し分けてあげたいぐらいだ。
「あの」
「なんだ?」
「今日はどう言ったお話をするのですか?」
だが、帰ってきた言葉は「秘密」
だったら私がここにいる必要などないのでは?
そう思った時だった。
「塩原様がお見えになりました」
女将が襖を開けると塩原社長が入ってきた。
「待たせたね」
「いえ、私も今きたところで」
すらっとした長身の男性が入ってきた。シルバーグレーの髪だが、見た目は若い。私はもっと恰幅の良い人なんだろうと想像をふくらませていた。それだけに、思いの外ダンディーだ塩原社長に驚きを隠せなかった。
すると塩原社長と目が合う。私はすぐさま頭を下げた。
「神谷君、彼女は?」
「私の秘書の鴨居といいます」
挨拶するようにと目で合図される。
「専務秘書を務めております鴨居と申します」
「鴨居さんね。でも君の秘書は汐田君では……」
「汐田から彼女に変わったのです」
「なるほどね」
するとタイミングよく料理が運ばれてきた。