イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
専務から何を聞かれても「はい」以外答えるなと言われたが、もしかしてこのことを言うためにあんな命令をだしたの?
話の内容は定かではないが、恐らく専務は塩原社長から縁談を持ちかけられたのだろう。
それを断るためにわたしを同席させ、尚且つ私を婚約者にした。
「はい」以外話してはいけないのは、私が余計なこといわないためだ。
もちろん気持ち的には「いいえ」と否定したいところだが、わたしも専務には借りがある。
それにしてもいきなり婚約者って……。
私の、結婚を前提に付き合っているか彼設定よりハードルが高いような気がする。

「はい」

 聞きたいことは山ほどあるけど、とりあえず、専務の指示に従い答えた。

「本来ならばもっと早くお返事すべきだったのですが、彼女からOKをもらうまではと思い、こんなか形での報告になってしまいました。本当に申し訳ございません」

専務が頭を下げるので、合わせるように私も頭を下げる。

「頭をあげてくれ。君にそういう人がいなければということで持ってきた話だったし、これがダメだから取引がということはないから安心したまえ。ただね……」

私と専務が顔をあげる。

「娘が君をかなり気に入っていたものだからね〜」

「申し訳ありません」

「いいんだ。娘には私がちゃんとはなしをする」

そういいつつも塩原社長の表情は暗かった
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