イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
「もしもし?」
『ちょっとなんて暗い声なの〜何かあったの?』
人事異動があったこと、そしてその部署が秘書室だということを伝える。
すると……。
『え? すごいじゃない。でも陽奈が秘書って大丈夫?』
「大丈夫じゃないよ。何もわからないし、社交性はない。服装だって今までのように制服ってわけじゃないのよ。自分のセンスの悪さを露呈しそうで怖い」
『そりゃあ不安だわ』
否定しないってことはやっぱり母もそう思っていたんだと軽くショックを受ける。
『でもそんなに不安ならいっそのこと結婚したら?』
出た出た。これは絶対に縁談話だ。
そもそも母から電話がかかってくる時は大概縁談ばなしなのだ。
「それはいい」
即断る。
『なんでよ。あなたもうすぐ二十七歳よ。だいたい出産子育てなんて若い時の方が楽なのよ。それに今回のお相手はお父さんの上司のご子息だからよっぽどのことがない限り断れないのよ。仕事も大事かもしれないけどあなた自身の将来の方がもっと大事なんだから。お見合いして頂戴ね』
「え? ちょっと勝手に決めないでよ。しかも出産ありきの話とかやめて。だいたい秘書室に異動になってナーバスになっているときにお見合いする余裕なんかないの」
『ちょっとなんて暗い声なの〜何かあったの?』
人事異動があったこと、そしてその部署が秘書室だということを伝える。
すると……。
『え? すごいじゃない。でも陽奈が秘書って大丈夫?』
「大丈夫じゃないよ。何もわからないし、社交性はない。服装だって今までのように制服ってわけじゃないのよ。自分のセンスの悪さを露呈しそうで怖い」
『そりゃあ不安だわ』
否定しないってことはやっぱり母もそう思っていたんだと軽くショックを受ける。
『でもそんなに不安ならいっそのこと結婚したら?』
出た出た。これは絶対に縁談話だ。
そもそも母から電話がかかってくる時は大概縁談ばなしなのだ。
「それはいい」
即断る。
『なんでよ。あなたもうすぐ二十七歳よ。だいたい出産子育てなんて若い時の方が楽なのよ。それに今回のお相手はお父さんの上司のご子息だからよっぽどのことがない限り断れないのよ。仕事も大事かもしれないけどあなた自身の将来の方がもっと大事なんだから。お見合いして頂戴ね』
「え? ちょっと勝手に決めないでよ。しかも出産ありきの話とかやめて。だいたい秘書室に異動になってナーバスになっているときにお見合いする余裕なんかないの」