イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
車に乗ると早速訪ねてみた。だが、なぜか秘密と言って教えてくれない。
でも今日は互いのことを知るためにこうやって一緒にいるわけで……納得できない。
「教えてください。明日、私の両親に会うんですよ。一応結婚するってことになってるんですから隠し事はなしです」
「今は内緒っていってるんだ。今言ったらつまらないだろ?」
「つまらなくない。モヤモヤする」
「そんなに俺のこと知りたい」
「知りたいです!」
つい話の流れでいってしまった言葉だが、これは全て専務の計算でもあった。
「そんなに俺のことがしりたいのか〜着々と俺に惚れ始めてるね」
余裕たっぷりに口角をあげしたり顔の専務。
「そ、そんなことないです」
すぐに否定するも心の中は正直でドキドキしている。
不思議なことに、専務といると、かつて教師と生徒の関係だったことなど忘れてしまう。
あんなに苦手だったはずなのに、一緒にいると楽しいし、押し付けのないやさしさに私の心は、昨日よりも好きになっていると思う。
だけど、そうあっさり認めてしまうのは、くやしいというか……。
とにかく変わりつつある私の心の変化を教えたくない。
そして車は、とある民家の前で止まった