イジワル御曹司は偽のフィアンセ様❤︎
翌朝、いつものように出勤し、いつもの毎日が始まった。
専務を迎えるまでに専務室の掃除をし、今日のスケジュールの確認を汐田課長と行う。
「今日は、ほとんど外出で、私が同行します。わからないことがあれば田辺に聞いてくれ」
「わかりました」
「恐らく帰りも遅くなると思いますので、後のこと頼みます」
「かしこまりました」
一礼すると課長が再び私を呼んだ。
「なんでしょうか?」
「笑顔を忘れないようにしてください」
ハッとした。課長にもわかってしまうほど私の表情は固く暗くなっていた。
専務と汐田課長をお見送りして、秘書室に戻ろうとエレベーターに乗り、“閉まる”のボタンを押そうとすると「待ってください」と落ち着いた女性の声がしたので扉をあけると、田辺さんが乗ってきた。
「ありがとう〜。これ逃すと次がながいから……って鴨居さんじゃない。お見送り?」
「はい。田辺さんもですか?」
「私はこれ」
そう言って私に見せたのは老舗の和菓子屋の紙袋だった。
「並んだわよ〜。でもここの芋羊羹おいしいのよね〜」
そう言ってもう一つの小さい袋を私に見せた。
「これは私用。そうだ鴨居さん今日お昼いっしょにどう?もれなく芋羊羹がついてくるけど」
「いいんですか?」
「じゃあ決まりね」
一人だとどうしても考えてしまう。田辺さんからのお誘いはありがたかった。
専務を迎えるまでに専務室の掃除をし、今日のスケジュールの確認を汐田課長と行う。
「今日は、ほとんど外出で、私が同行します。わからないことがあれば田辺に聞いてくれ」
「わかりました」
「恐らく帰りも遅くなると思いますので、後のこと頼みます」
「かしこまりました」
一礼すると課長が再び私を呼んだ。
「なんでしょうか?」
「笑顔を忘れないようにしてください」
ハッとした。課長にもわかってしまうほど私の表情は固く暗くなっていた。
専務と汐田課長をお見送りして、秘書室に戻ろうとエレベーターに乗り、“閉まる”のボタンを押そうとすると「待ってください」と落ち着いた女性の声がしたので扉をあけると、田辺さんが乗ってきた。
「ありがとう〜。これ逃すと次がながいから……って鴨居さんじゃない。お見送り?」
「はい。田辺さんもですか?」
「私はこれ」
そう言って私に見せたのは老舗の和菓子屋の紙袋だった。
「並んだわよ〜。でもここの芋羊羹おいしいのよね〜」
そう言ってもう一つの小さい袋を私に見せた。
「これは私用。そうだ鴨居さん今日お昼いっしょにどう?もれなく芋羊羹がついてくるけど」
「いいんですか?」
「じゃあ決まりね」
一人だとどうしても考えてしまう。田辺さんからのお誘いはありがたかった。