契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
普段は市内の一等地にある本社ビルにいるはずの久我がアポイントもなく港店に来たことのわけを、田所が女性三人に向かって説明をする。
だがこのようなことは特に珍しいことでもなかった。
久我は不動産業という仕事柄、県内県外を問わず、取引があればどこへでも行く。
その際に近くの店舗にふらりと立ち寄ることはしょっちゅうだった。
本当なら役員が抜きうちで来店するなんてこと、嫌がられてもおかしくはない。
でもそれを、悪く言う社員がいるという話を晴香は聞いたことがない。
それどころか、楽しみにしている社員もいるくらいだ。
今の、七瀬のように。
「港店が改装してからは来られてなかったからちょうど良かったよ。三カ月経つけど、お客様からの評判はどうかな」
久我が、女性社員三人に尋ねる。
店長の田所は直接お客様を担当することはあまりないからだ。
「とってもいいです! お茶をお出しすると、おしゃれですね!って褒められます」
キラキラとした視線を久我に送っていた七瀬が元気に答える。
久我が小さく頷いて先を促した。
だが七瀬は、それ以上は言葉が続けられないようで晴香の方をチラリと見る。
晴香は少し考えてから口を開いた。
だがこのようなことは特に珍しいことでもなかった。
久我は不動産業という仕事柄、県内県外を問わず、取引があればどこへでも行く。
その際に近くの店舗にふらりと立ち寄ることはしょっちゅうだった。
本当なら役員が抜きうちで来店するなんてこと、嫌がられてもおかしくはない。
でもそれを、悪く言う社員がいるという話を晴香は聞いたことがない。
それどころか、楽しみにしている社員もいるくらいだ。
今の、七瀬のように。
「港店が改装してからは来られてなかったからちょうど良かったよ。三カ月経つけど、お客様からの評判はどうかな」
久我が、女性社員三人に尋ねる。
店長の田所は直接お客様を担当することはあまりないからだ。
「とってもいいです! お茶をお出しすると、おしゃれですね!って褒められます」
キラキラとした視線を久我に送っていた七瀬が元気に答える。
久我が小さく頷いて先を促した。
だが七瀬は、それ以上は言葉が続けられないようで晴香の方をチラリと見る。
晴香は少し考えてから口を開いた。