契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
 孝也から与えられる強い刺激に、背筋を震わせながら、晴香は自分自身に言い聞かせる。彼に愛されていないという真実は胸の中に仕舞い込んで、彼に触れられるこの時をただただ楽しめばいい。
 だって晴香の身体は、孝也の偽りの行為にも、こんなに反応するのだから。
 唇が離れて目を開けば、間近にある熱のこもった孝也の眼差し。愛がないなんて信じられないほどに、熱くて強い。
 孝也がピンク色に染まる晴香の頬に手を当てた。

「…リゾートホテルの話は本当なんだ」

 まだ火照る身体を持て余したまま、晴香は孝也の言葉に耳を傾ける。
 そういえば昼間に田所に尋ねられてそんなことを言っていたような。てっきり恋人の存在と同様、架空の話だと思っていた。
 でもなぜ今その話が出るのだろうと晴香は小さく首を傾げる。
 孝也が強い眼差しのまま、低い甘い声で囁いた。

「晴香、そこで俺たち本当の夫婦になろう」
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