契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
本当の夫婦へ
真実
「うわー! このけんちゃんかわいい! 私ほしいなぁ。手帳にいれて持ち歩きたい。あ! これもかわいいー!」
美紀の明るい声がリビングに響く。
「ダメだって! やめろよ! 絶対にダメ」
健太郎が照れながら答える。
晴香はその隣でくすくすと笑った。
九月に入ったとはいえまだまだ暑い日の水曜日、晴香は実家に帰っている。
孝也は前日から仕事で東京へ行っている。この冬に出す『セントラルホーム』の新店舗の候補地をいくつかまわるためだ。一週間くらいは向こうに行きっぱなしになるという話だから晴香はその間、実家で過ごすことにしたのだ。
荷物の片付けの手伝いをするためである。建て替えが決まっている実家の取り壊し自体はまだ数ヶ月先だが、なにせもう何十年も家族で住んでいた家なのだ。
少しずつでも片付け始めないと間に合わない。
消防士をしている健太郎もこの日は非番で美紀を連れてやってきた。
そうして三人で母ひとりではできないような箇所を片付け始めたのだが、いかんせん出てくる物ひとつひとつに思い入れがありすぎていちいち手を止めてしまい作業はなかなか進まない。そこへ追い討ちをかけるようにアルバムの束が出てきてしまったのだから、もうお手上げ状態である。
美紀の明るい声がリビングに響く。
「ダメだって! やめろよ! 絶対にダメ」
健太郎が照れながら答える。
晴香はその隣でくすくすと笑った。
九月に入ったとはいえまだまだ暑い日の水曜日、晴香は実家に帰っている。
孝也は前日から仕事で東京へ行っている。この冬に出す『セントラルホーム』の新店舗の候補地をいくつかまわるためだ。一週間くらいは向こうに行きっぱなしになるという話だから晴香はその間、実家で過ごすことにしたのだ。
荷物の片付けの手伝いをするためである。建て替えが決まっている実家の取り壊し自体はまだ数ヶ月先だが、なにせもう何十年も家族で住んでいた家なのだ。
少しずつでも片付け始めないと間に合わない。
消防士をしている健太郎もこの日は非番で美紀を連れてやってきた。
そうして三人で母ひとりではできないような箇所を片付け始めたのだが、いかんせん出てくる物ひとつひとつに思い入れがありすぎていちいち手を止めてしまい作業はなかなか進まない。そこへ追い討ちをかけるようにアルバムの束が出てきてしまったのだから、もうお手上げ状態である。