契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
意外な人物
孝也が泊まると言っていたホテルのロビーの柱にもたれて、晴香は携帯を握りしめたまま行き交う人を眺めている。時刻は午後九時を過ぎたところだ。
あいかわらず胸の鼓動はドキドキとうるさいくらいに鳴っている。
普通ならこんなこと考えられないと自分でも思う。彼に伝えたいことがある、ただそれだけの理由で、東京まできてしまうなんて。
しかも彼は仕事中でこのホテルにだっていつ帰ってくるのかもわからないのだ。
新幹線に乗る前に晴香は孝也のプライベート用の携帯にメッセージを入れた。
【どうしても話したいことがあるから、そちらに行ってもいいですか?】
いつもの晴香ならそれに返信があるまではあの街でおとなしく待っていただろうと思う。
でも今はどうしてもそれができなかった。
メッセージはまだ既読にならない。
きっとまだ仕事中なのだろう。
突然勝手に押しかけて、迷惑だと思われても仕方がない。それでも…。
晴香はエントランスの方にジッと目を凝らす。帰ってくるはずの彼を見逃さないように。
その時。
「突然押しかけて、申し訳なかったね」
「いえ。お会いできて嬉しかったです。これからも、よろしくお願いします」
男性ふたりの会話が耳に入り晴香はハッとして振り返る。背の高いふたりの男性がエレベーターから降りてきた。
孝也だ。
彼ともうひとり男性は、話をしながらエントランスの方へと歩いてゆく。
「時間がなくて、ホテルのバーになってしまって、申し訳ありませんでした」
「いや、とにかく話ができてよかったよ。またこっちへくる時は連絡して」
あいかわらず胸の鼓動はドキドキとうるさいくらいに鳴っている。
普通ならこんなこと考えられないと自分でも思う。彼に伝えたいことがある、ただそれだけの理由で、東京まできてしまうなんて。
しかも彼は仕事中でこのホテルにだっていつ帰ってくるのかもわからないのだ。
新幹線に乗る前に晴香は孝也のプライベート用の携帯にメッセージを入れた。
【どうしても話したいことがあるから、そちらに行ってもいいですか?】
いつもの晴香ならそれに返信があるまではあの街でおとなしく待っていただろうと思う。
でも今はどうしてもそれができなかった。
メッセージはまだ既読にならない。
きっとまだ仕事中なのだろう。
突然勝手に押しかけて、迷惑だと思われても仕方がない。それでも…。
晴香はエントランスの方にジッと目を凝らす。帰ってくるはずの彼を見逃さないように。
その時。
「突然押しかけて、申し訳なかったね」
「いえ。お会いできて嬉しかったです。これからも、よろしくお願いします」
男性ふたりの会話が耳に入り晴香はハッとして振り返る。背の高いふたりの男性がエレベーターから降りてきた。
孝也だ。
彼ともうひとり男性は、話をしながらエントランスの方へと歩いてゆく。
「時間がなくて、ホテルのバーになってしまって、申し訳ありませんでした」
「いや、とにかく話ができてよかったよ。またこっちへくる時は連絡して」