契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
「本当に。初めに報告を受けた時、普段真面目な北見さんじゃなきゃ絶対に信じられなかったよ」
ニコニコとした視線を受けて晴香はうつむく。そして、ノンアルコールカクテルのグラスを握って、
「すみません…」
と、呟いた。
「いや、責めてるわけじゃないんだよ。ただの社内恋愛じゃないんだから、黙ってたのは仕方がないし。でもそれを聞いてちょっと納得する部分もあったよね。北見さん、ここのところすごく綺麗になったから。なんていうか今までは清楚な感じだったのが…」
「店長」
田所の言葉を遮って、梨乃がジロリと彼を睨んだ。
「おっと、ごめん」
田所が慌てて口を噤む。メンバーに笑いが起こった。
「まったく店長すぐにそういうことを言うんだから、コンプライアンス研修受け直した方がいいんじゃないですか?」
梨乃がため息をついたその時、入口付近で歓声があがって、メンバーは一斉にそちらの方を振り返った。
誰かが遅れて到着したのだろうか。だとしてもどうしてそんなに盛り上がることがあるのだろうと晴香は少し不思議に思う。
いち早く騒ぎの原因に気がついたのは田所だった。
「驚いた。北見さん、旦那さんのお出ましだよ」
田所の言葉に、晴香はまさかと呟いて、入口付近の人だかりに目を凝らす。残念ながら、田所の言う通りだった。
孝也がたくさんの社員に囲まれてにこやかに話をしている。
酒の席だとはいえ、絶え間なく笑いが起こっているのは、彼が社員に好かれている証拠だともいえるだろうが、晴香の方を振り返るように見ている社員かちらほらいるあたり結婚のことを言われているに違いない。
晴香は慌てて彼らから目を逸らした。
「来られないっておっしゃってたのに。やっぱり晴香が心配だったんだね」
ニコニコとした視線を受けて晴香はうつむく。そして、ノンアルコールカクテルのグラスを握って、
「すみません…」
と、呟いた。
「いや、責めてるわけじゃないんだよ。ただの社内恋愛じゃないんだから、黙ってたのは仕方がないし。でもそれを聞いてちょっと納得する部分もあったよね。北見さん、ここのところすごく綺麗になったから。なんていうか今までは清楚な感じだったのが…」
「店長」
田所の言葉を遮って、梨乃がジロリと彼を睨んだ。
「おっと、ごめん」
田所が慌てて口を噤む。メンバーに笑いが起こった。
「まったく店長すぐにそういうことを言うんだから、コンプライアンス研修受け直した方がいいんじゃないですか?」
梨乃がため息をついたその時、入口付近で歓声があがって、メンバーは一斉にそちらの方を振り返った。
誰かが遅れて到着したのだろうか。だとしてもどうしてそんなに盛り上がることがあるのだろうと晴香は少し不思議に思う。
いち早く騒ぎの原因に気がついたのは田所だった。
「驚いた。北見さん、旦那さんのお出ましだよ」
田所の言葉に、晴香はまさかと呟いて、入口付近の人だかりに目を凝らす。残念ながら、田所の言う通りだった。
孝也がたくさんの社員に囲まれてにこやかに話をしている。
酒の席だとはいえ、絶え間なく笑いが起こっているのは、彼が社員に好かれている証拠だともいえるだろうが、晴香の方を振り返るように見ている社員かちらほらいるあたり結婚のことを言われているに違いない。
晴香は慌てて彼らから目を逸らした。
「来られないっておっしゃってたのに。やっぱり晴香が心配だったんだね」