契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
晴香の胸がどきんと鳴る。それがあまりにも大きな音に聞こえたので、晴香は思わずエプロンの胸の辺りをギュッと掴んだ。
いったい自分の心臓はどうしてしまったのだろう。見慣れたはずの彼の笑顔にこんなにも反応するなんて。
「あ、あとは卵で巻くだけなんだ。すぐに準備するから待っててね」
取り繕うようにそう言って晴香は少し慌ててキッチンへ戻る。
また"今まで通り"と唱えながら。
そしてオムライスを仕上げてしまおうと卵をボールに入れてかき混ぜていると、スーツを脱いで、部屋着に着替えた孝也がキッチンへやってきた。
そしてなぜか晴香のすぐ後ろに立って、頭の上から卵のボールを覗き込んだ。
「ふわふわのやつにしてくれる?」
「きゃっ!」
また胸が大きな音を立てて、晴香は思わず泡立て器を取り落としてしまう。
ふたりだけのキッチンにガチャンと派手な音が響いた。
孝也の手が泡立て器を拾い上げて、晴香の手に握らせる。そしてそのまま晴香を後ろから包み込むように抱きしめた。
「っ…!」
なんだかとても恥ずかしい声が漏れそうになって、晴香はとっさに唇を噛む。シトラスの香りに全身が包まれて、くらくらと目眩をおこしてしまいそうだった。
「…晴香?」
晴香の髪に顔を埋めて孝也が晴香の名前を呼ぶ。いつもより近くから聞こえる低い声に晴香の身体が甘く痺れた。
いったい自分の心臓はどうしてしまったのだろう。見慣れたはずの彼の笑顔にこんなにも反応するなんて。
「あ、あとは卵で巻くだけなんだ。すぐに準備するから待っててね」
取り繕うようにそう言って晴香は少し慌ててキッチンへ戻る。
また"今まで通り"と唱えながら。
そしてオムライスを仕上げてしまおうと卵をボールに入れてかき混ぜていると、スーツを脱いで、部屋着に着替えた孝也がキッチンへやってきた。
そしてなぜか晴香のすぐ後ろに立って、頭の上から卵のボールを覗き込んだ。
「ふわふわのやつにしてくれる?」
「きゃっ!」
また胸が大きな音を立てて、晴香は思わず泡立て器を取り落としてしまう。
ふたりだけのキッチンにガチャンと派手な音が響いた。
孝也の手が泡立て器を拾い上げて、晴香の手に握らせる。そしてそのまま晴香を後ろから包み込むように抱きしめた。
「っ…!」
なんだかとても恥ずかしい声が漏れそうになって、晴香はとっさに唇を噛む。シトラスの香りに全身が包まれて、くらくらと目眩をおこしてしまいそうだった。
「…晴香?」
晴香の髪に顔を埋めて孝也が晴香の名前を呼ぶ。いつもより近くから聞こえる低い声に晴香の身体が甘く痺れた。