契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
晴香の作った境界線はいとも簡単に崩された。それどころか孝也の膝の間に挟まれて、大きな腕に囲まれては逃げることもできそうにない。
晴香の鼓動がまた大きな音で鳴り始めた。
「もちろん、いきなり襲ったりはしないから安心してくれていいんだけど。でも、まさか晴香だって、赤ちゃんはコウノトリが運んでくるなんて思ってないだろう?」
「そっ…!」
晴香は真っ赤になって声をあげる。
「そんなわけないじゃない!」
孝也がくいっと眉を上げた。
「どうだか。羊のぬいぐるみに守ってもらおうとするくらいだからさ。でも、どうやって子供ができるのかを知ってるなら、尚更これはないんじゃない? 晴香って子供はいらない主義だっけ?」
「そうじゃないけど…」
言い淀み口を噤む晴香を、孝也は至近距離でジッと見つめた。
「とにかく、ぬいぐるみの境界線はなしだ。さっきも言ったようにいきなり襲ったりはしないけど、少しずつは慣れなくちゃ。それとも晴香は、その時になったら割り切って子作りできるタイプ?」
なんだか核心をつくような質問に、晴香は慌てて首を振った。
「そんなことできないよ!!」
思いがけず大きな声が出てしまう。
そんな晴香の反応に孝也は一瞬動きを止めてから、落胆したような表情で小さくため息をついた。
晴香の胸がちくりと痛む。
恋愛感情なしのお友達結婚を承諾しておきながら、割り切って子作りもできないなんて、きっとがっかりしたのだろう。
晴香の口から「ごめんね」という言葉がついて出てる。
孝也が少し驚いたように晴香を見た。
「…どうして謝るの?」
晴香の鼓動がまた大きな音で鳴り始めた。
「もちろん、いきなり襲ったりはしないから安心してくれていいんだけど。でも、まさか晴香だって、赤ちゃんはコウノトリが運んでくるなんて思ってないだろう?」
「そっ…!」
晴香は真っ赤になって声をあげる。
「そんなわけないじゃない!」
孝也がくいっと眉を上げた。
「どうだか。羊のぬいぐるみに守ってもらおうとするくらいだからさ。でも、どうやって子供ができるのかを知ってるなら、尚更これはないんじゃない? 晴香って子供はいらない主義だっけ?」
「そうじゃないけど…」
言い淀み口を噤む晴香を、孝也は至近距離でジッと見つめた。
「とにかく、ぬいぐるみの境界線はなしだ。さっきも言ったようにいきなり襲ったりはしないけど、少しずつは慣れなくちゃ。それとも晴香は、その時になったら割り切って子作りできるタイプ?」
なんだか核心をつくような質問に、晴香は慌てて首を振った。
「そんなことできないよ!!」
思いがけず大きな声が出てしまう。
そんな晴香の反応に孝也は一瞬動きを止めてから、落胆したような表情で小さくため息をついた。
晴香の胸がちくりと痛む。
恋愛感情なしのお友達結婚を承諾しておきながら、割り切って子作りもできないなんて、きっとがっかりしたのだろう。
晴香の口から「ごめんね」という言葉がついて出てる。
孝也が少し驚いたように晴香を見た。
「…どうして謝るの?」