契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
そもそも晴香が梨乃に相談にのってもらうことになったのは、最近の晴香の振る舞いのせいだった。
いつもは人一倍慎重に仕事をするようにしている晴香にしては珍しくミスが続いたのだ。
ミス自体は一番近くにいる梨乃だから気付くような些細なもので業務に影響はない。でもだからそれでいいというわけではなく、入社以来ずっと仲良くしてきた梨乃には何かあったのかと心配をかけてしまった。
なるべく平静を装ってはいるが晴香としても本当のところ限界にきていたから、思い切って相談に乗ってもらうことにしたのだ。
「でも確かに、ちょっと奇抜な提案だけど案外理にかなってるような気もする。既婚者の私から見たらそう思う」
ビールのおかわりを頼んでから梨乃は頬杖をついて機嫌良く言った。
「障害があればあるほど燃えるなんていうけど、現実にはなかなかね。結婚は、おとぎ話じゃなくて生活だもん。価値観が合って家族にも祝福される相手が一番だよ」
「……そうよね。私もそう…思ったんだけど」
煮え切らない晴香の返事に、梨乃がニヤリと笑って口を開いた。
「なに、晴香。あの副社長じゃ、満足できないの? 意外だなぁ、晴香がそんなに面食いだなんて」
「ち、ちがうっ! ちがうよ、そうじゃなくて…」
いつもは人一倍慎重に仕事をするようにしている晴香にしては珍しくミスが続いたのだ。
ミス自体は一番近くにいる梨乃だから気付くような些細なもので業務に影響はない。でもだからそれでいいというわけではなく、入社以来ずっと仲良くしてきた梨乃には何かあったのかと心配をかけてしまった。
なるべく平静を装ってはいるが晴香としても本当のところ限界にきていたから、思い切って相談に乗ってもらうことにしたのだ。
「でも確かに、ちょっと奇抜な提案だけど案外理にかなってるような気もする。既婚者の私から見たらそう思う」
ビールのおかわりを頼んでから梨乃は頬杖をついて機嫌良く言った。
「障害があればあるほど燃えるなんていうけど、現実にはなかなかね。結婚は、おとぎ話じゃなくて生活だもん。価値観が合って家族にも祝福される相手が一番だよ」
「……そうよね。私もそう…思ったんだけど」
煮え切らない晴香の返事に、梨乃がニヤリと笑って口を開いた。
「なに、晴香。あの副社長じゃ、満足できないの? 意外だなぁ、晴香がそんなに面食いだなんて」
「ち、ちがうっ! ちがうよ、そうじゃなくて…」