契約夫婦の蜜夜事情~エリート社長はかりそめ妻を独占したくて堪らない~
付き合いたての頃は晴香に誠実そうな顔を見せていた彼は、本当はその時その時を楽しめればそれでいいという考えの持ち主だった。
仕事の付き合いだと称して女性と出かけることも多かった彼とはほどなくして、破局した。
そして今でも忘れられないあの一言を言われたのだ。
『晴香は真面目すぎるんだよ。恋愛には向いてないんじゃない?』
それから晴香はまるで呪いにかかったみたいに、新しい恋に踏み出せないでいた。
相手が悪かった、本当に誠実な男性は世の中にはたくさんいると梨乃は言うけれど、そもそもその彼だって初めは誠実そうに見えたのだ。それを見抜けなかったという思いが、晴香をより一層臆病にした。
そんな晴香が結婚できるという千載一遇のチャンス。
恋愛抜きのお友達結婚。
できることなら、晴香だってこの結婚を守りたいと強く思う。梨乃の言う通り、ある意味ラッキーだと割り切って楽しむことができるなら、なんの問題もないのだろう。
「まぁ、でもまだ本当に好きなのかどうかはわからないんだけど…」
残りのカクテルを飲み干して、晴香は負け惜しみのような言葉を口にした。
仕事の付き合いだと称して女性と出かけることも多かった彼とはほどなくして、破局した。
そして今でも忘れられないあの一言を言われたのだ。
『晴香は真面目すぎるんだよ。恋愛には向いてないんじゃない?』
それから晴香はまるで呪いにかかったみたいに、新しい恋に踏み出せないでいた。
相手が悪かった、本当に誠実な男性は世の中にはたくさんいると梨乃は言うけれど、そもそもその彼だって初めは誠実そうに見えたのだ。それを見抜けなかったという思いが、晴香をより一層臆病にした。
そんな晴香が結婚できるという千載一遇のチャンス。
恋愛抜きのお友達結婚。
できることなら、晴香だってこの結婚を守りたいと強く思う。梨乃の言う通り、ある意味ラッキーだと割り切って楽しむことができるなら、なんの問題もないのだろう。
「まぁ、でもまだ本当に好きなのかどうかはわからないんだけど…」
残りのカクテルを飲み干して、晴香は負け惜しみのような言葉を口にした。