指先で魔法を紡げたら。
「なんでプロフィール帳なんて知ってるの?」
あんなの、女の子しかやってないでしょって当然のようにつなげた。
この公園に来る途中、死んでしまったコガネムシが一匹。
道端で、緑色を強調して転がっていた。
仁科は知らないんだ。
この公園に来る途中、そのコガネムシを。
「俺、小学生の時、女子に書いてって言われて書いたもん」
そのコガネムシを、その真っ黒な革靴でグチャりと潰していたこと。