雨のち木漏れ日、時々キャンディ
「1年の瀬名雪花(Sena Yukika)です。」
はっきりとした口調で名乗ったものの、それ以上言うことがなくてすぐに口を閉じる。
その後はプライバシー保護の話を一通りされたので、きっと次は相談内容を聞かれるのだろうと考えていたときだった。
「キャンディ、好き?」
「え?」
予想していなかった質問に素っ頓狂な声が出てしまう。
彼はそんな私をまるで気にせず、傍らの棚からキャンディのたくさん入ったケースを取り出しているところだ。
不思議な光景を見ている気分だった。