雨のち木漏れ日、時々キャンディ
私が教室を出て、真っ先に向かった先は、もちろんカウンセリングルーム。
軽くノックをしてから、その扉を開けた。
「いらっしゃい、雪花。」
陽平はいつものように、柔らかあな木漏れ日のような空気で、私を迎え入れてくれる。
そして、いつものようにあの個室の扉を開けて待っていてくれるのだ。
私はいつものように、扉にかかっているプレートを”面談中”に変えて、個室へと向かった。
「今日は?どうだった?」
ソファーに座った私に、陽平がそう聞いてくる。
「湯田航希がうざかった。」
私のその第一声に、陽平は木漏れ日のような雰囲気を崩さないまま、クスッと笑ってみせた。
「湯田くんも懲りないね。」
「私の恋人っていう肩書きが欲しいだけなの見え見え。無理すぎる。」
私の言葉に、陽平は苦笑した。